病院薬剤師が認定実務実習指導薬剤師を取得するまで

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はじめに

現在日本の薬学部は6年制となり、5年次に薬学部生は毎年薬局、病院実習にいかれると思います。

その際に、受け入れる薬局、病院はどのように選定されるかというと

その医療機関に認定実務実習指導薬剤師がいなければ実習生を受け入れられない仕組みとなっています。

もし実習先に行くことが決まった医療機関には必ず認定実務実習指導薬剤師が1名いることになります。

そのため、未来の薬剤師を指導するために認定実務実習指導薬剤師は必要不可欠な資格となります。

今回は認定実務実習指導薬剤師について、実際に認定実務実習指導薬剤師になるためには

どのようなことをしなければならないかについて書いていきたいと思います。

masa

それでは認定実務実習指導薬剤師について把握していこう!!

実務実習指導薬剤師制度とは

認定実務実習指導薬剤師認定制度(以下「本制度」という)は、6 年制薬学教育制度下の薬学生に対して

医療の現場における実務実習の際に指導に当たることのできる薬剤師の認定を行うことにより、

社会的要請に応えられる薬剤師の養成に資することを目的とする。

認定実務実習指導薬剤師認定制度実施要領より引用
https://www.shidou-yakuzaishi.com/cpems/contents/pdf/yoryo.pdf

認定実務実習指導薬剤師の人口

認定実務実習指導薬剤師の人口は現在22,418名となっています。(2024年4月1日時点)

(※申請・審査中を除く認定期限内の方)

一般社団法人 薬学教育協議会HPより引用

https://yaku-kyou.org/?page_id=9237

それに引き換え、日本の薬剤師の人口は令和2年12月31日現在における

全国の届出「薬剤師数」は321,982人で、「男」124,242人(総数の 38.6%)、「女」197,740 人(同61.4%)となっているため、

全国の薬剤師の中で認定実務実習指導薬剤師の資格を持っている薬剤師は

22418/321982人(約6.9%)と取得している割合が低い貴重な資格であるとわかります。

masa

認定実務実習指導薬剤師の資格を持っている薬剤師は少ないんだね!!

厚生労働省のデータより引用

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/20/dl/R02_kekka-3.pdf
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実務実習指導薬剤師の取得条件

認定の資格要件

(1)認定実務実習指導薬剤師となるための基本的素養等認定実務実習指導薬剤師は、次の素養等を有する者とする。

1.十分な実務経験を有し薬剤師としての本来の業務を日常的に行っていること。

2.薬剤師を志す学生に対する実習指導に情熱を持っていること。

3.常日頃から職能の向上に努めていること。

4.実習の成果について適正な評価ができること。

5.認定取得後も継続的かつ日常的に薬剤師実務に従事する見込みがあること。

6.実務実習生の受入期間中、恒常的に指導することができること。

(2)認定要件 次の認定実務実習指導薬剤師養成研修をすべて修了した薬剤師であること。

1.講習会形式の研修

講座1:薬剤師の理念

講座2:薬学教育モデル・コアカリキュラム及び薬学実務実習に関するガイドライン

講座3:学生の指導(法的問題)、学生の指導(薬局関係)及び学生の指導(病院関係)

なお、講習会形式の研修は、講座番号の若い順に受講するものとする。

2.ワークショップ形式の研修
この法人が認めるワークショップとする。

3.受講証又は修了証の有効期間

講習会形式の研修の受講証(研修修了日が平成 30 年(2018 年)4月1日以降のものに限る。)

又はワークショップ形式の研修の修了証(研修修了日が平成30年(2018 年)4月1日以降のものに限る。)の有効期間は、

研修受講日又は研修修了日から6年間とする。有効期間を過ぎた受講証又は修了証は無効である。

(3)勤務要件

直近1年以上継続的に病院又は薬局において薬剤師実務に従事(勤務時間数が1週間当たり3日以上かつ20時間以上の場合に限る。)していること。

masa

講習は1日、ワークショップは2日間おこなわれます!!

認定実務実習指導薬剤師養成研修の受講資格

認定実務実習指導薬剤師養成研修の受講資格は次のとおりとする。

なお、以下の「薬剤師実務経験」は、薬剤師名簿への登録年月日以降で)病院又は薬局におけるもので、

勤務時間数が1週間当たり3日以上かつ20時間以上の場合に限るものとし、

かつ、大学院在学中のアルバイト等従たる業務として従事したものは含まないものとする。

1.実務経験

薬剤師実務経験が5年以上あること。

なお、6 年制の薬学教育を受けて薬剤師となった者は、薬剤師実務経験が3年以上あれば、

認 定実務実習指導薬剤師養成研修を前もって受講することができるものとする。

ただし、認定実務実習指導薬剤師の認定申請は、薬剤師実務経験が5年以上となってからでなければ行うことができない。

2.勤務状況

薬剤師実務経験が、受講する時点において継続して3年以上であること、

かつ、現に病院又は薬局に勤務(勤務時間数が1週間当たり3日以上かつ20時間以上の場合に限る。)している者であること。

3.勤務先等の望ましい条件

ア.病院の場合 

(ア)薬剤管理指導業務を実施し、院外処方箋の発行を推進していることが望ましい。 

(イ)病棟薬剤業務実施加算の届出を行っていることが望ましい。 

(ウ)一般社団法人日本病院薬剤師会賠償責任保険(施設契約)又はこれと同等の賠償責任保険に加入していることが望ましい。

イ.薬局の場合

(ア)薬学実務実習に関するガイドライン(平成27年(2015年)2月10日薬学実務実習に関する連絡会議)が

求める地域保健、医療、福祉等に関する業務を積極的に行っていることが望ましい。

(イ)「健康サポート薬局」の基準と同等の体制を有していることが望ましい。 

(ウ)改訂・薬学教育モデル・コアカリキュラムに示された

「代表的な疾患(がん、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、

免疫・アレルギー疾患及び感染症をいう。)」に関する症例を実習できる体制を整備していることが望ましい。 

(エ)薬剤師賠償責任保険に加入していることが望ましい。

2.また、公益社団法人日本薬剤師会生涯学習支援システム(JPALS)、一般社団法人日本病院薬剤師会生涯研修認定薬剤師、

公益財団法人日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師等の生涯学習システムに参加又は認定を取得している薬剤師であることが望ましい。

masa

受講資格が足りていないとすぐに申請できないから注意してね!!

認定申請手続き説明書の内容を確認する

下記のリンク先より認定申請手続き説明書の内容を確認してください。

認定申請手続き説明書

認定の有効期間

認定の有効期間は、通常6年間であり、認定証に記載した認定有効期間の開始日から最終日までとする。

認定実務実習指導薬剤師認定制度実施要領より引用
https://www.shidou-yakuzaishi.com/cpems/contents/pdf/yoryo.pdf
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実務実習指導薬剤師を取得する価値

上記で示した通りに、認定実務実習指導薬剤師を取得している薬剤師は約6.9%なので

とても貴重になります。

また、薬局及び病院が実務実習生を受け入れるためには認定実務実習指導薬剤師の資格が必要です。

1人当たり実務実習生を受け入れると11週で27万5000円が利益として入るので

医療機関は積極的に薬剤師に取得させたい資格の1つになりますね。

masa

だいたい1日あたり5000円くらいになります!!

さいごに

いかがだったでしょうか?

認定実務実習指導薬剤師についての内容をまとめていきましたが

認定実務実習指導薬剤師の資格を持っている薬剤師が直接指導をしたからといって

給与が上がるわけではないので取得することを敬遠している薬剤師も多いです。

ただ、未来の薬剤師を教育することは今後の医療をより良くするために

必要なことなのでお金以上に価値があると私は考えています。

あなたはどう感じましたか?

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