実際に中小病院で働く病院薬剤師として1年目を生き残るために必要なこと
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はじめに
こんにちわ。
病院薬剤師とはどのようなイメージでしょうか?
よく巷で言われていることは
給与は安いけど他職種と交流でき、薬剤師として多くの勉強が出来る環境という感じですかね?
病院にも様々あり、大中小規模のもの、総合病院、専門病院、クリニックなど
多くの選択肢があります。
しかし、病院に就職後の早い段階で退職する薬剤師も少なくありません。
理由については様々ですが
その中で私が経験した「中小病院」の1年目の生き残り方について書いていきたいと思います。
下記は中小病院で働く病院薬剤師について詳しく書いてあります。
病院薬剤師の1年目の生き残り方ってどういうものがあるんだろうね!!
背景
病院背景
<とある中小病院>
・病床数:200床未満
・医療介護施設、老健施設併設
・総合病院
同僚背景
<1年目の同僚>
・薬剤部長(59歳)
・基地外女薬剤師A(30歳)→7ヶ月後に退職
・コミュ障女薬剤師B(30歳)→6ヶ月後に退職
・週1パート男薬剤師(39歳)
・週1パート女薬剤師(50代)
・薬剤事務:2名
中小病院に入職した理由
薬局、ドラッグストア、製薬企業等と比較して給与が低い水準にある
病院に入職する人は意識が高く、何らかの目的をもっている人が多いため
その中にいることで自分自身をさらに高めていきたいと思ったからです。
また、中小病院を選んだ理由としては1年目から1つの部門だけでなく
出来る限り全ての業務を体験したかったからです。
大病院では病床数が多い分薬剤師数が多いため、業務が細分化されて
年単位で移動していくことがほとんどです。
そのため、全ての業務をおこなうことに数年かかってしまうし、
業務自体を忘れてしまうなど非効率的だと思ったからです。
また、途中で退職してしまうと病院の業務で知らない知識が生まれてしまうため、
中小病院を選びました。
給与よりも知識、経験を重要視しました!!
病院薬剤師の離職率
新卒薬剤師の離職率
新卒薬剤師が1年以内に離職する割合ってどれくらいだと思いますか?
なんと約10%もの薬剤師が離職しているんです。
ちなみに3年以内の離職率は約30%。
だいたい3人に1人ですね。
大学の同級生が100人いたらそのうち30人以上は3年以内に離職しているんです。
病院の離職率
病院は調剤薬局やドラッグストアと比べると就職の難易度が高いため、
1度就職したら同じ職場で長く働いているイメージがあります。
医師や看護師、その他の医療従事者と刺激し合いながら働くことができ、
疾患や薬剤に関しての知識もどんどん吸収できる病院での勤務。
薬剤師としては最高の就業環境にも思えますが、1年以内の離職率は意外と高めの約20%。
そう、実は病院での勤務は思ったよりも過酷なのです。
薬剤師の離職率って結構高いんだね!!
GATEN職HPより引用
https://gaten.info/career/yakuzaishi-rishokuritsu/
私が1年目で経験した人間関係
入職前
まずは入職前の外面の人間関係は全く当てになりません。
現在働いている職場の施設見学に行った時は本当の人間関係はわかりませんでした。
仲が悪そうには感じられない薬剤部。そこには闇があったのです。
入職した際にわかったことは
薬剤部長と他2名の薬剤師に溝があったということ。
基本的なコミュニケーションはなく、常に重い空気が流れていました。
また、私が入職する前は常勤の男はパートさん以外薬剤部長1人だったので
そのこともあり、会話が成り立っていない環境でした。
そこに私が入職したので薬剤部長は余計に嬉しかったのだと思います。
ここから1年間で体重が61kgから53kgになってしまうんだよ!!
入職後1〜3ヶ月
入職してから2ヶ月間位は仲良くやれていたのですが
とある日に蓄積されていた理不尽さに嫌気がさして1人行動をとりはじめました。
この辺りから2人の女薬剤師と楽しく過ごした記憶はありません。
1人で判断して決定する独り立ちがこうして始まりました。
入職して3ヶ月ほどで見切りをつけました!!
入職後4〜6ヶ月
私が入職して6ヶ月後に女薬剤師1人が退職します。
ということはすなわち退職した女薬剤師の業務内容が
そっくりそのまま私に降りかかってくることを意味します。
この時に医療安全対策委員会の委員、DIニュースの作成を開始します。
この時期は体調が悪く、良かった記憶がありません。
例えば体温38℃台で働いたり、毎日フラフラしていました。
また、入職後6ヶ月経った際にもらえる有給10日間を使用するのは
ここから1年後になることはまだ知る由もありませんでした。
入職半年で2つの立場が積み上げられたよ!!
入職後7〜8ヶ月後
残りの女薬剤師1人が退職します。
ちなみにこの女薬剤師の退職が決定していなければ私が退職していました。
それくらい人間関係に追い詰められていました。
この際に私の業務量に褥瘡対策委員会の委員、
全ての病棟業務が加わりました。
入職後1年足らずで入職した病院の薬剤部長業務以外の業務をやることになりました。
この辺りは疲労、ストレスのピークになります。
この辺りは毎日身体は痺れがある感覚だったよ!!
入職後9〜12ヶ月後
次年度の2月初旬までに2名の薬剤師が入職することになりました。
但し、それまでの3ヶ月間は孤軍奮闘しており、
体力、精神力ともにボロボロとなっていました。
ただ、女薬剤師がいた時と比べるとストレスは軽減されていたので
なんとか持ちこたえていました。
この期間で休んでしまうと薬剤部業務が機能しなくなってしまうので
相当踏ん張っていました。
2月〜3月までは入職した薬剤師に当院の業務内容を教えていました。
ただ、2人とも60歳弱だったので初めての後輩(入職順でいえば)との
歳の差は親子みたいな感じでと当時は大変でしたが
今思えばその経験があったから同年代、後輩に指導する際に
かなり余裕に出来る状態に勝手になっていました。
1年目でジェットコースターのように結果的に色々学んだよ!!
私が1年目で経験した業務内容
・調剤業務(内服・注射)
・全ての病棟業務(この頃はまだ病棟薬剤業務実施加算は算定していない)
・DI業務(主にDIニュースの作成)
・医療安全対策委員(薬剤部内のインシデント・アクシデントを収集し、委員会で報告)
・褥瘡対策委員(入院患者の褥瘡状態を委員会で周知)
病院薬剤師として1年目の生き残り方
病院薬剤師として就職を希望する際に1番気をつけなければならないことは薬剤部内の人間関係です。
薬剤部内の人間関係が険悪な状態であればその険悪なものがあなたの身に確実に降りかかってきます。
ただ、その雰囲気は病院見学ではマスクされているため把握することは出来ません。
どのように把握すれば良いのかというと、就職候補である病院の離職率、平均年齢を確認してみてください。
その数値に関しては偽造することは出来ないので薬剤部内の離職率が高いか、
薬剤部内の平均年齢は極端に若年化・高齢化していないかを確認してみてください。
もしそうであればかなり危険です。(本人経験談より)
また、病院薬剤師として就職した場合、給与面で不満・不安になる方が多いと思います。
元々は病院志望ということで意識が高かった方が職場内の人間関係やわかっていた給与面によって
退職される方は多いです。
病気になってしまったらすぐに退職を検討した方が良いのですが1度自分自身で決めた意志を
人間関係や給与面というくだらない理由で曲げてしまうことは勿体無いです。
また、体力、精神力は強い方が望ましいです。
それは今まで過ごしてきた生活環境によって違うと思いますが
どうしても理不尽、夜勤、人員不足でこの体力、精神力が削られていくので
ある程度の運動等はしておいた方が良いです。(忙しすぎて運動どころではなかった私ですが)
あと、スルースキルは重要です。
どこの職場にも基地外はいると思うのですが
その基地外の意見、言葉をいちいち魔に受けてあなた自身の精神力を削られる必要はありません。
ある程度聞いているフリをして逃げて大丈夫です。周りはちゃんとあなたを見ています。
最後に圧倒的な役職、力、業務量を身につけることです。
いつ入職しようが結果的に圧倒的な役職、力、業務量を身につければ勝ちです。
何故かというと、あなたの代わりになる人がいないからです。
辞めてもらっては困ると思える人間に早い段階からなってください。
私の1年目は最終的に2人薬剤師(1人は薬剤部長なので実質1人)で
私は基本的に中堅どころの薬剤師3人分の業務量を毎日こなしていました。
そのため、換えが効かないどころか辞めたら薬剤部が終わりの状況で
圧倒的な業務量をしていたので信頼もされていました。
また、私以降は入職した薬剤師は年上だろうが入職順としては下なので
かなり過ごしやすく、精神的な負担は少なくなりました。
但し、年上の後輩を扱うスキルを要します。(慣れれば勝ち)
重要な項目まとめ
・薬剤部内の人間関係
・体力・精神力
・スルースキル
・圧倒的な役職・力・業務量
さいごに
いかがだったでしょうか?
病院薬剤師として働くために必要な考え方、行動をなるべく
コーティングしないで書いていきました。
実際に病院薬剤師として生き残る、続けることは大変です。
しかし、乗り越えた先には圧倒的な経験値を手にすることが出来ます。
あなたはどのような薬剤師になりたいですか?