とある病院薬剤師がせん妄ハイリスク患者ケア加算についてまとめてみた

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はじめに

みなさんの近くにある病院では大小問わず、何らかの診療報酬の算定をおこなっています。

その中で私が働いている病院で算定している

せん妄ハイリスク患者ケア加算について書いていきたいと思います。

せん妄について

せん妄とは

せん妄とは脳が機能不全を起こした状態で睡眠・覚醒リズムの障害、認知機能障害、感情障害など

多彩な精神症状がみられる病態である。

そのうち、薬剤性せん妄は、医薬品が原因によって生じるせん妄のことであり、

原因となる医薬品には、一般的な睡眠薬・抗不安薬、麻薬性鎮痛薬、副腎皮質ステロイド、

抗ヒスタミン薬、抗パーキンソン病薬などがあげられます。

また、せん妄は医薬品だけでなく、脱水や感染症、入院や手術といった身体・環境の変化など

さまざまな要因が重なり合うことで発症に至ります。

せん妄についてはまだ不明な点が多く、脳内の神経伝達物質の不均衡、神経の炎症、

ストレス反応に伴う内分泌異常などが発生機序として考えられています。

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せん妄ハイリスク患者ケア加算について

令和2年度診療報酬改定より、新たにせん妄ハイリスク患者ケア加算が創設されました。

せん妄ハイリスク患者ケア加算:100点(入院中1回)

定義

一般病棟入院基本料等を算定する病棟において、入院早期にせん妄のリスク因子をスクリーニングし、

ハイリスク患者に対して非薬物療法を中心としたせん妄対策を行うことについて、新たな評価を行う。

算定要件

施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関に入院している患者について、

せん妄のリスク因子の確認及びハイリスク患者に対するせん妄対策を行った場合に、入院中1回に限り、所定点数に加算する。

施設基準

せん妄のリスク因子の確認のためのチェックリスト及びハイリスク患者に対するせん妄対策のためのチェックリストを作成していること。

厚生労働省保険局医療課資料より引用

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000691039.pdf
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臨床現場で病院薬剤師として思うこと

当院では、令和5年からせん妄ハイリスク患者ケア加算の算定を開始しました。

開始直後は薬剤部は全く関与されてなく、勝手に算定することが決まっていて

後追いで概要について把握していきました。

当院にはせん妄対策委員会がなく、当初は別の薬剤師がチェックリストのアレンジをして

運用していました。

その後、私が医療安全対策委員、医薬品安全管理責任者ということでチェックリストの運用後の

せん妄が発症している入院患者の具体的な症状を集計し始めました。

また、医療安全対策委員会内、DIニュースで現在のせん妄発症患者についての情報を周知、報告をはじめました。

基本的に現行内容ではチェックリストの記入のみで算定が取れる形ですが

今後はそれ以降の患者のケアを求められると考えているので早めに運用方法の水準を高めました。

1人で賄っているので体力的に辛い面もありますが1人で多くの入院患者の助けになれればと思い頑張っています。

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さいごに

実際に私自身が体験している、運用している内容を記事にすることで

間接的にでも医療従事者等に刺激、患者の助けになれれば幸いです。

ここ1年はせん妄について追ってきていて、少なからず知恵はついているかなと感じるので

今後も臨床現場での情報を発信していきたいと思います。

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