とある病院薬剤師が高尿酸血症の治療薬(痛風発作寛解・予防薬、尿酸分解酵素薬)についてわかりやすくまとめてみた
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高尿酸血症とは
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が通常よりも高い状態のことです。
尿酸が過剰になると、体内で析出して結晶を作り、痛風と呼ばれる病気を発症することがあります。
尿酸の結晶は足の親指の付け根に形成されることが多く、激烈な痛みや発赤、腫れなどの痛風関節炎(痛風発作)を引き起こします。
そのほか、腎臓にも結晶を作ることもあり、腎臓結石の原因にもなります。
高尿酸血症は、アルコールや肉を多く摂取する、といった生活習慣と密接に関連していると考えられています。
こうした生活スタイルは、高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満などとも関連しており、
動脈硬化を進行させないという観点からも治療を行う必要があります。
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尿酸
なるほど尿酸.com より引用
https://www.n-nyosan.com/hyperuricemia.html
尿酸とは核酸(DNAやRNAの総称)の主成分となるプリン体が代謝されてできた物質のことです。
細胞が活動を行う過程においてプリン体が不要になると、プリン体は尿酸へと変換され主として腎臓を介して体外に排泄されます。
尿酸値
尿酸値の基準値は一般的に、男性で3.7~7.0 mg/dL、女性で2.5~7.0mg/dLです。
男女ともに7.0mg/dLを超える場合に高尿酸血症と診断されます。
ただし、基準値は測定方法や検査機関によって異なる場合があるので、結果については医師から直接お聞きください。
特にビール好きは注意が必要になってきます!!
高尿酸血症の治療について
高尿酸血症の治療
高尿酸血症の治療は、大きく生活習慣の改善と薬物療法の2つに分けることができます。
痛風関節炎に対しては非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が使われます。
生活の改善
プリン体を多く含む食品(動物の内臓など)やアルコールの摂取を控えることが重要です。
また、肥満を併発していることも多いため減量を行うことも求められます。
高血圧や糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化のリスク因子があれば、それらに対しての治療も必要です。
薬物療法
尿酸が産生されにくくする薬や体外への排泄を促す薬などの尿酸降下薬を使用することになります。
尿酸降下薬の開始時には痛風発作が生じることもあります。その場合においては、NSAIDsが併用されます。
Medical Note より引用
https://medicalnote.jp/diseases/高尿酸血症?utm_campaign=高尿酸血症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
高尿酸血症の治療薬について
Antaa Slide より引用
https://slide.antaa.jp/article/view/05aeb7c412bf4b3c
高尿酸血症治療薬を分類ごとに分けると、
①尿酸排泄促進薬
②尿酸生成阻害薬
③痛風発作寛解・予防薬
④尿酸分解酵素薬
以上の4つに大別されます。
痛風発作寛解・予防薬について
コルヒチン
効能効果
○痛風発作の緩解及び予防
○家族性地中海熱
作用機序
微小管タンパク質(チューブリン)に結合することにより顆粒球(主として好中球)及びその他の運動性細胞の繊維性微小管の収縮(脱重合)と
消滅を起こし、炎症域への顆粒球の遊走阻害と顆粒球の代謝活性、食活性の減少を起こす。
その結果、尿酸結晶の貪食により惹起される乳酸や炎症前期の酵素の遊離を抑制し、炎症反応が抑制される。
また、肥満細胞からのヒスタミン含有顆粒遊離を抑制する。
コルヒチンは細胞の有糸核分裂抑制作用を有するが、この作用は痛風発作の抑制作用と無関係であり、
またこの作用に基づく抗悪性腫瘍効果は少ないとされる。
用法用量
〈痛風発作の緩解及び予防〉
通常、成人には1日3〜4mgを6〜8 回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
発病予防には通常、成人には1日0.5〜1mg、発作予感時には1回 0.5mgを経口投与する。
〈家族性地中海熱〉
通常、成人には1日0.5mgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は1.5mgまでとする。
通常、小児には1日0.01〜0.02mg/kgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は0.03mg/kgまでとし、かつ成人の1日最大投与量を超えないこととする。
薬価
称名 | 販売名 | 薬価 |
---|---|---|
コルヒチン (高田製薬) | コルヒチン錠0.5mg「タカタ」 | 9.6円/錠 |
添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400186_3941001F1077_1_08
尿酸分解酵素薬について
ラスブリカーゼ(ラスリテック)
効能効果
がん化学療法に伴う高尿酸血症
作用機序
尿酸を酸化し、アラントインと過酸化水素に分解することで、血中尿酸値を低下させる。
用法用量
通常、ラスブリカーゼとして0.2mg/kgを1日1回30分以上かけて点滴静注する。なお、投与期間は最大7日間とする
薬価
称名 | 販売名 | 薬価 |
---|---|---|
ラスリテック (サノフィ) | ラスリテック点滴静注用1.5mg (先発品) | 11708円/瓶 |
ラスリテック点滴静注用7.5mg (先発品) | 48297円/瓶 |
添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/780069_3959415F1025_1_05
臨床現場で病院薬剤師として思うこと
直近で尿酸値が高い30代男性の患者の尿酸値が9.0mg/dl台で入院されて先天的に尿酸値が下がらない遺伝子のためと
診断を受けたらしいのですがフェブリク20mgを3週間ほど服用されて7.0mg/dlになっていました。
それまではずっと痛い状態だったので辛そうでしたが。
先天的なものは仕方がないのですが生活習慣から発症する患者に関しては
生活習慣の見直しをおすすめします。生活習慣病になるリスクもありますしね。
さいごに
生きているうちに病気になることはあると思います。
その際にどのような対処をすれば良いのか不安に思いながら周りに相談をしたり
自身でインターネットで検索して調べる方は多いと思います。
その1つのお助けツールとしてこちらの記事を参考にして頂けたら嬉しいです。