とある病院薬剤師が臨床でよく処方される漢方薬についてわかりやすくまとめてみた No.21〜50

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漢方薬とは

漢方薬

生薬とは漢方薬を構成する原料です。

植物の葉、茎、根などや鉱物、動物のなかで薬効があるとされる一部分を加工(切る、乾燥する、蒸すなど)したものです。

一方、漢方薬とは、漢方医学の考え方にもとづき、基本的には2種類以上の生薬を定められた量で組み合わせた薬のことです。

つまり、生薬自体を、漢方(or漢方薬)と表現するのは実は間違いです。

例えば、漢方薬である葛根湯(かっこんとう)は、7種類*の生薬から構成されています。

ツムラHP より引用

https://www.tsumura.co.jp/brand/kampo-introduction/about-kampo/

漢方薬の種類

ツムラ医療用漢方製剤一覧

ツムラ pdf より引用

https://medical.tsumura.co.jp/sites/default/files/resources/pdf/products/index/484.pdf
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当院で採用している漢方薬

1〜20の詳しい記事はこちら

当院で採用している漢方薬をまとめてみました。(21〜50:番号順)

23.当帰芍薬散

<効能効果>

筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症

貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸病

(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症

<有効成分>

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.0gを含有する。

日局シャクヤク 4.0g、日局ソウジュツ 4.0g、日局タクシャ  4.0g、日局ブクリョウ 4.0g、日局センキュウ 3.0g、日局トウキ 3.0g

masa

患者が入院時に服用している頻度は稀、当院で処方される頻度も稀ですね!!

24.加味逍遙散

<効能効果>

体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:

冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症

<有効成分>

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.0gを含有する。

日局サイコ 3.0g、日局シャクヤク 3.0g、日局ソウジュツ 3.0g、日局トウキ  3.0g、日局ブクリョウ 3.0g、日局サンシシ 2.0g、

日局ボタンピ 2.0g、日局カンゾウ 1.5g、日局ショウキョウ 1.0g、日局ハッカ 1.0g

<重大な副作用>

偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、腸間膜静脈硬化症

masa

患者が入院時に服用している頻度はそこそこ、当院で処方される頻度もそこそこですね!!

29.麦門冬湯

<効能効果>

痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支ぜんそく

<有効成分>

本品9.0g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス6.0gを含有する。

日局バクモンドウ 10.0g、日局タイソウ 3.0g、日局コウベイ 5.0g、日局カンゾウ 2.0g、日局ハンゲ  5.0g、日局ニンジン 2.0g

<重大な副作用>

間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、横紋筋融解症、肝機能障害、黄疸

masa

患者が入院時に服用している頻度はほとんどいない、当院で処方される頻度は稀ですね!!

40.猪苓湯

<効能効果>

尿量減少、小便難、口渇を訴えるものの次の諸症:

尿道炎、腎臓炎、腎石症、淋炎、排尿痛、血尿、腰以下の浮腫、残尿感、下痢

<有効成分>

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2.5gを含有する。

日局カッセキ  3.0g、日局タクシャ  3.0g、日局ブクリョウ 3.0g、アキョウ 3.0g、日局チョレイ 3.0g

41.補中益気湯

<効能効果>

消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:

夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症

<有効成分>

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.0gを含有する。

日局オウギ 4.0g、日局ソウジュツ 4.0g、日局ニンジン  4.0g、日局トウキ  3.0g、日局サイコ 2.0g、日局タイソウ 2.0g、

日局チンピ 2.0g、日局カンゾウ 1.5g、日局ショウマ 1.0g、日局ショウキョウ 0.5g

<重大な副作用>

間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸

43.六君子湯

<効能効果>

胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:

胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐

<有効成分>

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.0gを含有する。

日局ソウジュツ 4.0g、日局タイソウ 2.0g、日局ニンジン 4.0g、日局チンピ 2.0g、日局ハンゲ  4.0g、

日局カンゾウ 1.0g、日局ブクリョウ 4.0g日局ショウキョウ 0.5g

<重大な副作用>

偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、

48.十全大補湯

<効能効果>

病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血

<有効成分>

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.0gを含有する。

日局オウギ 3.0g、日局ケイヒ 3.0g、日局ジオウ 3.0g、日局シャクヤク 3.0g、日局センキュウ 3.0g、日局ソウジュツ 3.0g、

日局トウキ 3.0g、日局ニンジン 3.0g、日局ブクリョウ 3.0g、日局カンゾウ 1.5g

<重大な副作用>

偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、

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重大な副作用まとめ

ツムラ HP より引用

https://medical.tsumura.co.jp/products/safety.html/se.disease/psa.html

偽アルドステロン症

偽性アルドステロン症とも表記されます。

高血圧や低K血症など、原発性アルドステロン症と同様の臨床所見を呈するにもかかわらず、アルドステロン高値を示さない病態です。

漢方薬の一成分である甘草に含まれるグリチルリチン酸の作用により、腎局所でのコルチゾール不活性化が阻害され、

そこで過剰となったコルチゾールが腎局所でミネラルコルチコイド作用を呈する病態を示します。

血中レニン、アルドステロンは、いずれも低値を示します。

腎局所で、活性型のコルチゾール(F)が上昇し、不活性型のコルチゾン(E)が低下するため、尿中E/F比の低下が確認されます。

局所でのコルチゾールの上昇であるため、通常、血中コルチゾールやACTHは正常範囲を示します。

日本内分泌学会 HP より引用

https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=36

ミオパチー

ミオパチーは筋肉に異常が生じることで引き起こされる病気の総称です。

具体的には、筋ジストロフィー・先天性ミオパチー・炎症性ミオパチー・代謝性ミオパチーなど多くの病気が存在します。

ミオパチーでは、障害を受けた筋肉がうまく働かなくなることから、筋力の低下や運動麻痺などの症状が現れます。

原因は、それぞれの病気によって大きく異なるため、治療方法も病気の種類や状況によって異なります。

Medical note HP より引用

https://medicalnote.jp/diseases/ミオパチー?utm_campaign=ミオパチー&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

間質性肺炎

間質性肺疾患(間質性肺炎)とは、肺の間質と呼ばれる部分を中心に炎症が起こる病気の総称です。

肺は肺胞という小さな袋の集まりで、口や鼻から吸い込んだ空気は気道を通って肺胞に運ばれ、肺胞の壁を通して酸素が取り込まれます。

肺胞は大きく実質と間質に分けられ、肺胞の中を実質、肺胞の壁や周囲の組織を間質といい、この間質に炎症が起こる病気が間質性肺炎です。

間質性肺炎では、炎症によって徐々に肺胞壁が厚く硬くなります(線維化)

そうなると肺がうまく膨らまなくなるため、息苦しさを感じたり咳が出たりします。進行すると呼吸不全になることもあります。

間質性肺炎には原因や病態に応じてさまざまな種類がありますが、特に多い特発性肺線維症は50歳以上の男性に多いとされています。

Medical note HP より引用

https://medicalnote.jp/diseases/間質性肺疾患?utm_campaign=間質性肺疾患&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

横紋筋融解症

横紋筋融解症とは、薬やけが、熱中症などが原因となり筋肉が壊れる病気で、発症すると筋肉の痛みやこわばりを感じます。

また筋肉が破壊されると、ミオグロビンなど筋肉中のタンパク質が血液中に大量に放出されるため、

重症の場合は腎臓の機能が低下して命に関わる可能性もあります。

横紋筋融解症の原因となる薬には、コレステロール値が高いときに飲む薬をはじめ、さまざまな種類があるといわれます。

薬を服用している際に気になる症状を感じた場合には、早めに医療機関を受診することが重要です。

Medical note HP より引用

https://medicalnote.jp/diseases/横紋筋融解症?utm_campaign=横紋筋融解症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

腸間膜静脈硬化症

腸間膜静脈硬化症(MP:mesenteric phlebosclerosis)は、大腸壁内から腸間膜の静脈に石灰化などが起こり、

静脈還流の障害によって、腸管の慢性虚血性変化をきたす疾患であり、静脈硬化性大腸炎(phlebosclerotic colitis)とも呼ばれます。

症状は、主に腹痛、下痢、嘔気・嘔吐などですが、無症状の場合もあり、便潜血陽性等で発見されることもあります。

また、重症例ではイレウス(腸閉塞)様症状を呈する場合もあります。

ツムラ HP より引用

https://medical.tsumura.co.jp/products/safety.html/se.disease/mp.html
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臨床現場で病院薬剤師として思うこと

正直漢方薬についてはあまり気持ちを入れて勉強してこなかったです。

ただ、当院の医師、看護師より漢方について聞かれる頻度が多くなってきたので

ブログを通じて学んでいる形になっています。

種類が多いですが1つ1つ区分けしていきながら代表的なものを理解していきたいと多います。

さいごに

生きているうちに病気になることはあると思います。

その際にどのような対処をすれば良いのか不安に思いながら周りに相談をしたり

自身でインターネットで検索して調べる方は多いと思います。

その1つのお助けツールとしてこちらの記事を参考にして頂けたら嬉しいです。

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