とある病院薬剤師がパーキンソン病の治療薬であるドパミン作動薬(麦角薬、非麦角薬)についてわかりやすくまとめてみた

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パーキンソン病とは

パーキンソン病とは、体のふるえ、動作がゆっくりになる、筋肉がこわばり手足が動かしにくくなる、

転びやすくなるなどの症状を特徴とする病気です。

脳の指令を伝えるドパミンと呼ばれる物質が減ることによって起こります。

パーキンソン病は高齢になるほどかかりやすくなる病気で、日本では1,000人に1~1.5人くらいの割合で患者さんがいるといわれています。

50歳以上で起こることが多いですが、40歳以下の若い方でも発症することがあり、この場合は若年性パーキンソン病と呼ばれます。

Medical note HP より引用

https://medicalnote.jp/diseases/パーキンソン病?utm_campaign=パーキンソン病&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

パーキンソン病の治療について

現段階ではパーキンソン病を根本的に治療する方法はなく、症状を緩和する対症療法が中心となります。

治療の基本は薬物治療で、減少したドパミンを補充する治療が行われます。

そのほか、脳に直接アプローチする手術療法が行われることもあります。

パーキンソン病の治療薬について

薬物治療の中心となるのは、レボドパとドパミンアゴニストと呼ばれる薬です。

レボドパは不足したドパミンの前駆物質であり、脳に運ばれてドパミンに変換され、症状を緩和します。

ドパミンアゴニストは少なくなったドパミン神経細胞を介さずにドパミンの作用を補うはたらきがあります。

これらのほかに、抗コリン薬、COMT阻害薬、MAO-B阻害薬、ドロキシドパなどがあり、通常は複数の薬を組み合わせて治療が行われます。

パーキンソン病治療薬一覧

・レボドパ製剤(単剤、配合薬)

・ドパミン作動薬(麦角薬、非麦角薬)

・MAO-B阻害薬

・COMT阻害薬

・レボドパ賦活薬

・アデノシンAzA受容体拮抗薬

・抗コリン薬

・ドパミン遊離促進薬

・ノルアドレナリン前駆物質

ドパミン作動薬(麦角薬)

パーロデル(ブロモクリプチンメシル酸塩)

効能効果

○末端肥大症

○下垂体性巨人症

○乳汁漏出症

○産褥性乳汁分泌抑制

○高プロラクチン血性排卵障害

○高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)

○パーキンソン症候群

作用機序

本剤は持続的なドパミン受容体作動効果を有し、内分泌系に対しては下垂体前葉からのプロラクチン分泌を特異的に抑制し、

末端肥大症(先端巨大症)患者において異常に上昇した成長ホルモン分泌を抑制する。

また、中枢神経系に対しては黒質線条体のドパミン受容体に作用して抗パーキンソン作用を示す。

用法用量

<パーキンソン症候群>

通常、1日1回1.25mg又は2.5mgを朝食直後に経口投与から始め、1又は2週毎に1日量として2.5mgずつ増量し、

維持量(標準1日15.0~22.5mg)を定める。

1日量は5.0mgの場合は朝食及び夕食直後に、7.5mg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

薬価

総称名販売名薬価
パーロデル
(サンファーマ)
パーロデル錠2.5mg
(先発品)
29.8円/錠
ブロモクリプチン
(ダイト)
ブロモクリプチン錠2.5mg「フソー」
(後発品★)
33.2円/錠
ブロモクリプチン
(富士製薬工業)
ブロモクリプチン錠2.5mg「F」
(後発品)
11.7円/錠
ブロモクリプチン
(東和薬品)
ブロモクリプチン錠2.5mg「トーワ」
(後発品)
11.7円/錠

添付文書

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/480866_1169005F1200_2_08

ペルマックス(ペルゴリドメシル酸塩)

効能効果

パーキンソン病

作用機序

本剤は線条体におけるシナプス後ドパミン受容体を直接刺激することによりパーキンソン病に対する治療効果を発現すると考えられている。

用法用量

<パーキンソン症候群>

通常、1日1回50μgを夕食直後2日間投与する。以後、2ないし3日ごと、1日用量として50μgずつ増量し、

第1週末には1日用量として150μgを投与する。

第2週目は1日用量として300μgより開始し、2ないし3日ごと1日用量として150μgずつ増量する。

第2週末には1日用量として600μgを投与する。

1日用量100μgの場合は朝食及び夕食直後に、1日用量150μg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。

第3週目は1日用量750μgより開始し、以後有効性及び安全性を考慮しつつ増量し、維持量(標準1日750〜1250μg)を定める。

なお、上に定める投与量増量速度は随伴症状、年齢等により適宜増減する。

薬価

総称名販売名薬価
ペルマックス
(協和キリン)
ペルマックス錠50μg
(先発品)
20.3円/錠
ペルマックス錠250μg
(先発品)
74.6円/錠
ペルゴリド
(沢井製薬)
ペルゴリド錠50μg「サワイ」
(後発品)
15円/錠
ペルゴリド錠250μg「サワイ」
(後発品)
61.1円/錠

添付文書

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/230124_1169008F1026_2_11

カバサール(カベルゴリン)

効能効果

〈製剤共通〉

○パーキンソン病

○乳汁漏出症

○高プロラクチン血性排卵障害

○高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)

○産褥性乳汁分泌抑制

〈カバサール錠0.25mg〉

○生殖補助医療に伴う卵巣過剰刺激症候群の発症抑制

作用機序

本剤は持続的なドパミンD2受容体刺激作用を有し、中枢神経系に対しては黒質線条体のドパミンD2受容体に作用して

抗パーキンソン作用を示す。

また、内分泌系に対しては下垂体前葉のドパミンD2受容体に作用してプロラクチン分泌を特異的に抑制し、抗プロラクチン作用を示す。

用法用量

〈パーキンソン病〉

通常、成人には1日量0.25mgから始め2週目には1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、

1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、 維持量を定めるが、 最高用量は1日3mgとする。

いずれの投与量の場合も1日1回朝食後経口投与する。

薬価

総称名販売名薬価
カバサール
(ファイザー)
カバサール錠0.25mg
(先発品)
36.6円/錠
カバサール錠1.0mg
(先発品)
112.1円/錠
カベルゴリン
(沢井製薬)
カベルゴリン錠0.25mg「サワイ」
(後発品★)
44.1円/錠
カベルゴリン錠1.0mg「サワイ」
(後発品★)
141.9円/錠

添付文書

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/672212_1169011F1028_5_05

ドパミン作動薬(非麦角薬)

ビ・シフロール(プラミペキソール塩酸塩水和物)

効能効果

○パーキンソン病

○中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)

作用機序

本剤はドパミンD2受容体ファミリー(D2、D3、D4)に対し強い親和性を示した。

D1及びD5受容体に対する親和性は示さなかった。

用法用量

〈パーキンソン病〉

通常、成人には1日量0.25mgからはじめ2週目に1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、

1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5~4.5mg)を定める。

1日量が1.5mg未満の場合は2回に分割して朝夕食後に、1.5mg以上の場合は3回に分割して毎食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えないこと。

薬価

総称名販売名薬価
ビ・シフロール
(日本ベーリンガーインゲルハイム)
ビ・シフロール錠0.125mg
(先発品)
16.6円/錠
ビ・シフロール錠0.5mg
(先発品)
61.1円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(東和薬品)
プラミペキソール塩酸塩OD錠0.125mg「トーワ」
(後発品)
9.4円/錠
プラミペキソール塩酸塩OD錠0.5mg「トーワ」
(後発品)
33円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(日新製薬-山形)
プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「日新」
(後発品)
10.5円/錠
プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「日新」
(後発品)
37.7円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(日医工)
プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「日医工」
(後発品)
9.4円/錠
プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「日医工」
(後発品)
33円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(日本ジェネリック)
プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「JG」
(後発品)
9.4円/錠
プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「JG」
(後発品)
35.5円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(陽進堂)
プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「YD」
(後発品)
9.4円/錠
プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「YD」
(後発品)
33円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(高田製薬)
プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「タカタ」
(後発品)
9.4円/錠
プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「タカタ」
(後発品)
37.7円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(共創未来ファーマ)
プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「FFP」
(後発品)
10.5円/錠
プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「FFP」
(後発品)
37.7円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(第一三共エスファ)
プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「DSEP」
(後発品)
9.4円/錠
プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「DSEP」
(後発品)
33円/錠
プラミペキソール塩酸塩
(ヴィアトリス・ヘルスケア)
プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「VTRS」
(後発品)
9.4円/錠
プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「VTRS」
(後発品)
33円/錠

添付文書

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/650168_1169012F1022_1_27

レキップ(ロピニロール)

効能効果

パーキンソン病

作用機序

本剤はドパミンD2受容体系作動薬であり、ドパミンD2受容体系を刺激することにより、抗パーキンソン病作用を発現すると考えられる。

用法用量

通常、成人には1回0.25mg、1日3回(1日量0.75mg)から始め、1週毎に1日量として0.75mgずつ増量し、

4週目に1日量を3mgとする。

以後経過観察しながら、必要に応じ、1日量として1.5mgずつ1週間以上の間隔で増量し、

維持量(標準1日量3~9mg)を定める。いずれの投与量の場合も1日3回に分け、経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量15mgを超えないこととする。

添付文書

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/180095_1169100F1052_2_01

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臨床現場で病院薬剤師として思うこと

パーキンソン病の患者は多くみられます。

特に私は整形外科、外科を担当する病棟担当薬剤師でもあるので医師、看護師に医薬品について相談されます。

手術後はかかりつけの病院に転送など多かったりするのですが出来るのなら患者の負担にならないように

手術をした病院で適切なリハビリ後に退院してほしいと感じています。(大多数はそのように対応している)

そのためには薬剤師としてパーキンソン病の治療薬についての理解を深めないとなという事を常に意識して業務を行なっています。

さいごに

生きているうちに病気になることはあると思います。

その際にどのような対処をすれば良いのか不安に思いながら周りに相談をしたり

自身でインターネットで検索して調べる方は多いと思います。

その1つのお助けツールとしてこちらの記事を参考にして頂けたら嬉しいです。

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