とある病院薬剤師が血圧に関与する嗜好品についてわかりやすくまとめてみた
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血圧とは

血圧とは、心臓から出る血流が血管の壁を押す圧力のことです。
基本的には電流と電圧の関係と同じです。
ただし、電気と違い血圧は収縮期血圧(“上の血圧”)と拡張期血圧(”下の血圧”)の2つで表示されます。
心臓が収縮して血液が心臓から送り出されるときの血圧が収縮期血圧、そして心臓が拡張して血液を貯めているときの圧力が拡張期血圧です。
拡張期の血圧を作り出しているのは心臓ではなく大動脈の弾性力です。
血圧の値は、心臓から押し出される血液の量と、血管の壁の固さに左右されます。
血圧は健康な人でも日常的に変動していて、激しい運動や、外気温の急な変化で上昇したり、睡眠や入浴後に低下したりします。
日本循環器協会 HP より引用
https://j-circ-assoc.or.jp/learn/57/
高血圧とは

高血圧症(高血圧)とは、年齢や合併症によって基準は異なりますが、一般的には診察室で計測した収縮期血圧が140mmHg以上
または拡張期血圧が90mmHg以上の状態を指します。
高血圧が持続することで動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞が引き起こされたり、
心臓の機能が低下して心不全となったりするため注意が必要です。
高血圧を発症した場合、適度な運動や塩分を控えた食事などを心がけます。
こうした生活スタイルの是正で改善がみられない場合には、降圧剤を用いた血圧の管理を行います。
Medical Note HP より引用
https://medicalnote.jp/diseases/高血圧症?utm_campaign=高血圧症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
高血圧の診断基準(2024年ガイドライン)
診察室血圧
◆ 一般成人:140/90 mmHg以上
◆ 糖尿病患者:130/80mmHg以上
◆ CKD患者:130/80mmHg以上
◆ 冠動脈疾患:130/80mmHg以上
血圧に関与する嗜好品について

高血圧を悪化させる嗜好品を下記にまとめました。
1. アルコール
- 適量なら一時的に拡張作用もあるが、習慣的摂取は交感神経亢進・血圧上昇を招く
- 日本高血圧学会:男性 20–30g/日以下(日本酒1合、ビール500mL、ワイン2杯程度)、女性はその半分が目安
- 多量飲酒は高血圧・脳卒中・心不全リスク増
2. 食塩
- 塩分過剰摂取は最も大きな要因
- 日本高血圧学会推奨:
- 1日 6g未満(高血圧患者は必須)
- 日本人平均は10g前後 → 減塩が第一歩
3. カフェイン(コーヒー・エナジードリンクなど)
- 急性期は血圧上昇作用(交感神経刺激)
- 習慣摂取者では耐性がつくため影響は軽減
- 高血圧患者や不整脈がある人は 大量摂取を避けるべき
4. タバコ(ニコチン)
- 交感神経刺激 → 一時的に収縮期血圧+10mmHg上昇
- 慢性的に血管内皮障害 → 動脈硬化・高血圧の進展
- 禁煙は高血圧管理の必須項目
5. 甘味飲料・過剰糖質
- 肥満 → インスリン抵抗性 → 血圧上昇につながる
- 特に清涼飲料水・エナジードリンクの常飲はリスク
6. サプリ・漢方・薬剤にも注意
- 甘草(カンゾウ)含有製剤(例:漢方の「甘草湯」「葛根湯」など)→ 偽アルドステロン症 → 血圧上昇
- エフェドリン(鼻炎薬、サプリ)→ 交感神経刺激
- ステロイド、NSAIDs も血圧を上げる
臨床現場で病院薬剤師として思うこと

生活習慣病の1つとして高血圧があります。
私の父も高血圧なので血圧計をプレゼントしてあげたり、食事・運動習慣を意識させたり、
飲んでいる薬について教えてあげたりしています。
また、当然ですが入院患者に対しても同様に服薬指導、生活習慣の改善の重要性についてお話しています。
その他に注意しなければならないものに今回記事にした血圧に関与する嗜好品をまとめましたが
想像していたより幅広いなという印象でした。
生活習慣病は1つ発症してしまうと連ねて2つ、3つと発症してしまうので注意していきましょうね。
さいごに

生きているうちに病気になることはあると思います。
その際にどのような対処をすれば良いのか不安に思いながら周りに相談をしたり
自身でインターネットで検索して調べる方は多いと思います。
その1つのお助けツールとしてこちらの記事を参考にして頂けたら嬉しいです。