とある病院薬剤師が白内障の病態、治療薬についてわかりやすくまとめてみた

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白内障とは

白内障とは、目の中でカメラのレンズの役割をしている水晶体すいしょうたいという部位が濁ってしまう状態のことです。

水晶体が濁ってしまうと、視界がぼやける、かすむ、二重に見える、まぶしさを感じるといった症状が起こり、

徐々に視力低下が進行していきます。

加齢に伴い白内障の罹患率は増加し、70歳代では80%以上、80歳代はほぼ全ての人が罹患していると考えられ、

誰もが発症する可能性のある目の老化現象と捉えることもできます。

加齢による白内障の場合、数年単位で徐々に視力の低下やものの見え方の変化が起こるため症状に気付かず、

ある程度進行してしまってから発見されることも少なくありません。

視力低下を引き起こす白内障ですが、近視や遠視、乱視などとは異なり、

眼鏡やコンタクトレンズでは矯正できないことが特徴として挙げられます。

しかし、現在ではその治療法が確立され、必要とされる場合には手術により視力は回復します。

Medical Note より引用

https://medicalnote.jp/diseases/白内障?utm_campaign=白内障&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
masa

高齢者の多くは白内障を発症するリスクがあるので注意が必要です!!

目の構造について

1. 角膜(かくまく)

角膜は眼球の前方にあり、血管の無い無色透明な組織で、光を眼球内に屈折透過させて網膜上に像を結ばせます。

2. 強膜(きょうまく)

強膜は眼球のもっとも外側にあります。眼球の外壁となっている膜で、角膜とつながっています。

3. 結膜(けつまく)

結膜は、白目の表面やまぶたの内側をおおっている薄い膜で、両者は袋状につながっています。

4. 虹彩・瞳孔

虹彩の中央部を瞳孔といい、黒目の部分です。 ここを通って光が目のなかに入る量を調節しています。

5. 房水・隅角(ぼうすい・ぐうかく)

角膜と硝子体の間は房水と呼ばれる液で満たされています。

房水は毛様体から産出され、水晶体・角膜など血管のない組織に栄養を与える代謝作用と、眼球内の圧力に関係しています。

房水は隅角のシュレム管という部分から目の外へ排出されていきます。

産生される房水の量が排出される量が多い場合、眼圧が上がり緑内障の危険性が高まります。

6. 毛様体(もうようたい)

毛様体は虹彩から続く組織で、血管と筋肉が豊富にある組織です。

毛様体の筋肉が伸縮することによって水晶体の厚さを変化させ、遠くや近くをみるときのピント調節をしています。

また、房水を産生します。

7. チン小体(ちんしょうたい)

毛様体と水晶体の間を結び水晶体を支え、毛様体筋の収縮を水晶体に伝え、

水晶体厚みを変えることによりピント調節をしています。

8. 脈絡膜(みゃくらくまく)

脈絡膜は血管がたくさん有り網膜に栄養を与えています。

また、色素細胞がたくさん有るので外からの光を遮断する暗箱の役目を担っています。

9. 網膜・中心窩(もうまく・ちゅうしんか)

網膜はカメラのフィルムにあたる部分で、 目のなかに入った光は網膜にピントを結びます。

網膜の最も後方の部分を黄斑部といい、さらにその中心部を中心窩といいます。

色を判別が出来る錐体細胞が集中しており、ここでものを見ています。

10. 視神経・視神経乳頭(ししんけい・ししんけいにゅうとう)

視神経は網膜全体におよそ100万本の神経線維があり、網膜に生じた情報を脳に伝達します。

視神経が眼球壁を貫く部分を視神経乳頭といいます。

11. 水晶体(すいしょうたい)

水晶体は、カメラのレンズにあたり、厚くなったり薄くなったりすることで、ピント調節をしています。

これが年齢と共に固くなると老眼となり、白く濁ると白内障となります。

12. 硝子体(しょうしたい)

硝子体(しょうしたい)は水晶体の後方の眼球内容の大部分を占め、ゼリー状をしています。99%が水です。

13. シュレム管(しゅれむかん)

毛様体でつくられた房水は、シュレム管から排出されます。

14. 前房・後房(ぜんぼう・こうぼう)

角膜と水晶体で囲まれた部分は、虹彩(こうさい)を境に、前面は前房、後面は後房と呼ばれています。

中は房水で満たされています。

若山眼科 コラム より引用

https://www.wakayamaganka.jp/2019/07/03/809/

白内障について

原因

白内障の原因でもっとも多いのは加齢です。白内障の初期変化として、

加齢により水晶体の弾力性がなくなってピントの調整が難しくなり、徐々に近くのものが見えにくくなる老視(老眼)を生じます。

さらに加齢が進むと、レンズ自体がひずみを生じてしまい、乱視、遠視といった屈折の異常が認められることもあります。

ここからさらに水晶体が硬くなり白濁し、白内障と診断されます。

さらに進行すると水晶体は黄色、褐色になり、放置した場合は失明に至ります。

加齢以外にも、リウマチ、喘息ぜんそく膠原病こうげんびょうなどによって長期にわたり副腎皮質ホルモン(ステロイド)を服用している場合は、

白内障発症のリスクとなります。

また、糖尿病の人や多量の放射線を受けた人も白内障発症のリスクが高いといわれています。

20歳代、30歳代ではアトピー性皮膚炎が白内障のリスクになります。

症状

おろく眼科 HPより引用

https://oroku-ganka.com/白内障手術

白内障発症時の目の見え方は、患者の水晶体の濁り方によって異なります。

水晶体全体に混濁がある場合には、視界全体がぼやける、かすむといった症状が認められます。

水晶体の中心のみに混濁が認められる場合は、水晶体の屈折力が強くなるため、近くが見やすくなります。

一時的に老眼が治ったように感じるのが特徴ですが、進行すると近くも遠くも見えにくくなります。

水晶体の一番奥の中心が濁るタイプはステロイド内服で生じやすく、比較的短期間に視力低下が進行します。

いずれのタイプも混濁により眼球内で光が散乱してしまうため、

明るい場所にいる場合や逆光になった場合にまぶしさを感じて対象物が見えにくくなります。

また、対象物が二重に見えてしまうこともあります。

夜間の運転など暗いところでものが見えにくいのも白内障でよくある症状です。

検査・診断

白内障の診断は、さまざまな検査を行い、白内障の病型と程度の確認、視力などの見え方の検査、

視力低下の原因が白内障以外の目の病気によるものでないかといったことを確認するのが重要です。

具体的に実施される検査としては以下が挙げられます。

視力検査

裸眼での視力と眼鏡やコンタクトレンズをした状態の視力を測定します。

眼鏡やコンタクトレンズをしても、視力が(1.0)未満の場合には白内障が疑われます。

角膜屈折力(角膜の湾曲の程度)、屈折検査

眼内レンズの度数決定に角膜屈折力の検査が必要です。屈折検査では近視・遠視・乱視などの程度を確認します。

眼圧検査

目の大きさや形状を保つための圧力である眼圧を測定する検査です。

眼圧が正常値よりも高い場合は緑内障が疑われることが一般的ですが、

眼球の小さい遠視眼では白内障により急激に眼圧が高くなる急性緑内障を生じることがあります。

眼底検査

眼底カメラや光干渉断層計で、視神経や網膜などに異常がないか確認します。

細隙灯顕微鏡検査(散瞳)

細隙灯さいげきとうと呼ばれる拡大鏡を使い目に光を当て、角膜(黒目)、結膜(白目)、水晶体に異常がないかどうかを確認します。

角膜内皮細胞検査

角膜の一番内側にある一層の内皮細胞ないひさいぼうの大きさや密度を調べる検査です。

内皮細胞密度の低い人では、白内障手術により角膜に浮腫みを生じ

角膜が濁ってしまうことがあるため事前にこの検査が必要です。

眼軸長検査

眼球の大きさを測定します。角膜屈折力検査とこの眼軸長検査により、眼内レンズの度数を決定します。

Medical Note より引用

https://medicalnote.jp/diseases/白内障?utm_campaign=白内障&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
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白内障の治療について

白内障の治療

白内障の治療には薬物療法と手術がありますが、点眼薬や内服治療では濁った水晶体を透明に戻すことはできません

白内障の進行を予防し、経過を観察するにとどまります。

一般的には、進行した白内障には手術が行われます。

白内障の手術は、方法、所要時間、患者の負担など、さまざまな点において飛躍的な進歩を遂げ、

現在では短時間の手術でその日のうちに帰宅できるほどになっています。

手術では、水晶体内部の濁りを取り除き、その代わりにアクリル製の眼内レンズという人工物を挿入します。

眼内レンズは半永久的に使用できるため、原則的には1回の手術で済みます。

また、眼内レンズは大きく分けて1か所のみにピントが合う保険適用の単焦点眼内レンズと、

2か所以上にピントが合う多焦点眼内レンズ(選定療養:レンズ費用は自費)があります。

手術により近視、遠視、乱視も同時に治り、多焦点眼内レンズを使用すれば老眼も治ります。

最近は保険適用の多焦点眼内レンズも登場しました。白内障手術により患者の生活の質は飛躍的に向上するので、

少しでも症状があれば眼科を受診し手術について相談するとよいでしょう。

Medical Note より引用

https://medicalnote.jp/diseases/白内障?utm_campaign=白内障&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
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白内障の治療薬について

白内障の目薬の種類は作用ごとに分けると、

①ピレノキシン製剤

②グルタチオン製剤

以上の2つに大別されます。

①ピレノキシン製剤

詳細はこちらの記事から↓(執筆中)

②グルタチオン製剤

2020年10月より販売中止となりました。

https://medical.nihon-generic.co.jp/a.php?id=1253

臨床現場で病院薬剤師として思うこと

現在白内障は手術によって対応出来るのですが

手術後に以前もらっていた点眼薬を継続して使用している高齢の患者さんを見かけることがあります。

お薬手帳を見て、抗菌作用、抗炎症作用の点眼薬が処方されていることを確認できれば

手術されたのかなと思い薬剤管理指導の際に聞くことが出来るのですが

そういった出来事がないときはスルーされてしまうケースもあります。

通常、患者さん全員とお話し出来れば良いのですが時間的都合上で現在の私はすることが叶わない状態なので

お薬手帳に白内障の手術済みの書き込みがあると医療機関としては嬉しいですね。

さいごに

生きているうちに病気になることはあると思います。

その際にどのような対処をすれば良いのか不安に思いながら周りに相談をしたり

自身でインターネットで検索して調べる方は多いと思います。

その1つのお助けツールとしてこちらの記事を参考にして頂けたら嬉しいです。

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