とある病院薬剤師が胆石症の病態、治療薬についてわかりやすくまとめてみた

スポンサーリンク

胆石症とは

胆石症とは、胆道に結石ができる病気の総称です。胆道の中でもどこに結石ができるかによって、胆嚢結石たんのうけっせき(約80%)、

胆管結石(約20%)、肝内結石(約2%)に分けられます。

胆石は胆汁に含まれる成分が結晶化して固まることででき、成分によって結石の呼び名が異なります。

胆石ができると右の肋骨ろっこつの下やみぞおち、右肩などに痛みを生じるようになりますが、ほとんど症状がみられない人もいます。

また、黄疸おうだんと呼ばれる皮膚が黄色くなる症状がみられることもあります。

日本で胆石症になる人の数は食生活の欧米化や高齢化によって増えているといわれており、その頻度は10人に1人といわれています。

胆石症の中でも胆管結石の場合は放置すると胆管炎と呼ばれる病気に進行し重症することもあるため、適切な治療を受けることが大切です。

胆石

三菱京都病院 HP より引用

https://www.mitsubishi-hp.jp/disease/20190111.html

胆汁

Hug Kum HP より引用

https://hugkum.sho.jp/534198

胆汁は脂肪を消化するために必要な液体で、肝臓で1日に1リットルほど作られています。

胆汁の成分は、ビリルビンという黄色っぽい色素、コレステロール、胆汁酸塩などですが、およそ90パーセントは水分です。

胆のうに溜められている間に水分が吸いとられ、5〜10倍に濃縮されます。

肝臓で作られた胆汁は、食事をしていない時に肝臓から出て総肝管を通り、胆のうに入ります。

胆のうでは濃縮され、一時的に貯えられます。体内に取り入れた食べ物が十二指腸に到着すると、

胆のうは筋肉を収縮させて胆汁を押し出します。そして総胆管を通り、胆汁は十二指腸に注がれます。 

このような胆汁の流れる通り道は胆道と呼ばれています。

原因

胆石症とは胆道に結石ができる状態を指し、胆石は胆汁に含まれる成分が結晶化して固まることで発生します。

胆石は成分によってコレステロール石と色素石(ビリルビンカルシウム石、黒色石)に分けられ、それぞれ原因が異なります。

コレステロール石は胆汁のコレステロール濃度が高くなることで発生し、

色素石のうちビリルビンカルシウム石と呼ばれる胆石は胆汁の細菌感染が原因で発生します。黒色石ができる原因は不明です。

これらの胆石のうちもっとも頻度が高いものはコレステロール石で、肥満、女性、40歳代白人、出産人数が多い人、糖尿病患者、

血中コレステロール値が高い、血縁者に胆石症患者がいる場合などにリスクが高くなることが知られています。

症状

胆石症の主な症状は胆道痛と呼ばれる右の肋骨の下辺りの痛み、みぞおちの痛み、右の背中の痛み、右肩の痛みで、食後に現れやすいのが特徴です。

また、黄疸が発生して皮膚や白目の部分が黄色くなったり、ビリルビン尿と呼ばれる褐色~黒色の尿が出たりすることもあります。

一方で、胆石症の2~3割は症状がほとんどみられないこともあり、無症状胆石と呼ばれます。

また、一部の人では胆嚢や胆管に炎症を起こすことがあります。炎症が起こると高熱が出るほか、

細菌感染が加わると敗血症と呼ばれる重篤な病気に発展することもあります。

検査・診断

胆石症は胆道痛などをきっかけに受診し、画像検査を元に診断されることが多いです。

胆石症の検査でよく行われる画像検査には、腹部超音波検査、CT、MRCP(磁気共鳴胆管膵管造影検査)

ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)などがあります。

一般的には腹部超音波検査が行われます。症状がない場合でも人間ドックや健康診断での腹部超音波検査で発見されることがあります。

画像検査では、胆石の有無のほかに胆石の大きさ、個数、胆嚢の状態などを確認します。

Medical note より引用

https://medicalnote.jp/diseases/胆石症?utm_campaign=胆石症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
masa

胆石症になるとめっちゃ痛いです、私はまだ発症したことはないですが。。。

胆石症の治療について

胆石症で痛みなどの症状がみられる場合は手術を行います。胆石のみを取り除いても再発することが多いため、

胆石症の手術では胆嚢ごと取り除く胆嚢摘出術が行われます。

胆嚢摘出術には腹腔鏡ふくううきょう下手術と開腹手術があり、全身麻酔下で行われます。体の負担が少ない腹腔鏡下手術が第一選択ですが、

腹腔鏡下手術が難しい場合は開腹手術が行われます。

また、胆石の状態によっては薬物治療(ウルソデオキシコール酸)や体外衝撃波胆石破砕療法と呼ばれる、

体の外から衝撃波を当てて胆石を破砕する方法が使われることもあります。

痛みがない無症状胆石の場合は治療を行わずに経過観察を行いますが、胆管の出口に詰まって胆管炎が生じている場合は、

無症状でも胆管内の胆石を除去する治療が必要になります。

Medical note より引用

https://medicalnote.jp/diseases/胆石症?utm_campaign=胆石症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
スポンサーリンク

胆石症の治療薬

ウルソデオキシコール酸(ウルソ)

効能効果

○下記疾患における利胆

胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患

○慢性肝疾患における肝機能の改善

○下記疾患における消化不良

小腸切除後遺症、炎症性小腸疾患

○外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解

○原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善

○C 型慢性肝疾患における肝機能の改善

作用機序

ウルソデオキシコール酸は胆汁分泌を促進する作用(利胆作用)により胆汁うっ滞を改善する。

また、投与されたウルソデオキシコール酸は肝臓において、細胞障害性の強い疎水性胆汁酸と置き換わり

その相対比率を上昇させ、疎水性胆汁酸の肝細胞障害作用を軽減する(置換効果)。

さらに、ウルソデオキシコール酸はサイトカイン・ケモカイン産生抑制作用肝臓への炎症細胞浸潤抑制作用により肝機能を改善する。

そのほか、胆石溶解作用、消化吸収改善作用が知られている。

用法用量

・ 下記疾患における利胆胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患

・ 慢性肝疾患における肝機能の改善

・ 下記疾患における消化不良

小腸切除後遺症、炎症性小腸疾患

通常、成人1回50mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

・ 外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解

外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解には、通常、成人1日600mgを3回に分割経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

・ 原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善

原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善には、通常、成人1日600mgを3回に分割経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。増量する場合の1日最大投与量は900mgとする。

・ C 型慢性肝疾患における肝機能の改善

C型慢性肝疾患における肝機能の改善には、通常、成人1日600mgを3回に分割経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。増量する場合の1日最大投与量は900mgとする。

薬価

総称名販売名薬価
ウルソ
(田辺三菱製薬)
ウルソ顆粒5%7.5円/g
ウルソ
(田辺三菱製薬)
ウルソ錠50mg
(準先発品)
9円/錠
ウルソ錠100mg
(準先発品)
10.1円/錠
ウルソデオキシコール酸
(全星薬品工業)
ウルソデオキシコール酸錠100mg「ZE」
(後発品)
7.2円/錠
ウルソデオキシコール酸
(全星薬品工業)
ウルソデオキシコール酸錠100mg「ZE」
(後発品)
7.2円/錠
ウルソデオキシコール酸
(日本ジェネリック)
ウルソデオキシコール酸錠50mg「JG」
(後発品)
6.1円/錠
ウルソデオキシコール酸錠100mg「JG」
(後発品)
7.2円/錠
ウルソデオキシコール酸
(沢井製薬)
ウルソデオキシコール酸錠100mg「サワイ」
(後発品)
8.7円/錠
ウルソデオキシコール酸
(東和薬品)
ウルソデオキシコール酸錠50mg「トーワ」
(後発品)
6.1円/錠
ウルソデオキシコール酸錠100mg「トーワ」
(後発品)
8.7円/錠
ウルソデオキシコール酸
(日医工岐阜工場)
ウルソデオキシコール酸錠50mg「NIG」
(後発品)
6.7円/錠
ウルソデオキシコール酸錠100mg「NIG」
(後発品)
8.7円/錠

添付文書

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/580591_2362001F1100_1_04

スポンサーリンク

臨床現場で病院薬剤師として思うこと

高齢者で定期服用薬としてウルソ錠を飲んでいる患者さんが多くみられます。

私自身は胆石症にかかったことはないのですが体験者の薬剤師に聞いたところ、気絶するような痛みが襲うようです。

なので異変があった際は病院を受診してください。

また、定期的な健康診断、人間ドックはした方がいいと思いますよ。

私は病院嫌いなのでいきませんが。。。笑

さいごに

生きているうちに病気になることはあると思います。

その際にどのような対処をすれば良いのか不安に思いながら周りに相談をしたり

自身でインターネットで検索して調べる方は多いと思います。

その1つのお助けツールとしてこちらの記事を参考にして頂けたら嬉しいです。

スポンサーリンク

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です