とある病院薬剤師が緑内障の病態、治療薬についてわかりやすくまとめてみた

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緑内障とは

緑内障とは、眼の奥にある視神経という部分に異常が起こり、

視野(見える範囲)が狭くなったり部分的に見えなくなったりする病気です。

多くの緑内障の進行はゆっくりであるため、緑内障患者さん自身が病気に気付かないまま

視野が欠けていってしまうことが少なくありません。

障害された視神経を回復する方法は確立されていませんので、早期に緑内障を発見し、

適切な治療を開始・継続することで緑内障の進行を抑えることが可能となります。

Medical Note より引用

https://medicalnote.jp/diseases/緑内障?utm_campaign=緑内障_概要&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo#概要
masa

高齢者の多くは緑内障を発症するリスクがあるので注意が必要です!!

目の構造について

1. 角膜(かくまく)

角膜は眼球の前方にあり、血管の無い無色透明な組織で、光を眼球内に屈折透過させて網膜上に像を結ばせます。

2. 強膜(きょうまく)

強膜は眼球のもっとも外側にあります。眼球の外壁となっている膜で、角膜とつながっています。

3. 結膜(けつまく)

結膜は、白目の表面やまぶたの内側をおおっている薄い膜で、両者は袋状につながっています。

4. 虹彩・瞳孔

虹彩の中央部を瞳孔といい、黒目の部分です。 ここを通って光が目のなかに入る量を調節しています。

5. 房水・隅角(ぼうすい・ぐうかく)

角膜と硝子体の間は房水と呼ばれる液で満たされています。

房水は毛様体から産出され、水晶体・角膜など血管のない組織に栄養を与える代謝作用と、眼球内の圧力に関係しています。

房水は隅角のシュレム管という部分から目の外へ排出されていきます。

産生される房水の量が排出される量が多い場合、眼圧が上がり緑内障の危険性が高まります。

6. 毛様体(もうようたい)

毛様体は虹彩から続く組織で、血管と筋肉が豊富にある組織です。

毛様体の筋肉が伸縮することによって水晶体の厚さを変化させ、遠くや近くをみるときのピント調節をしています。

また、房水を産生します。

7. チン小体(ちんしょうたい)

毛様体と水晶体の間を結び水晶体を支え、毛様体筋の収縮を水晶体に伝え、

水晶体厚みを変えることによりピント調節をしています。

8. 脈絡膜(みゃくらくまく)

脈絡膜は血管がたくさん有り網膜に栄養を与えています。

また、色素細胞がたくさん有るので外からの光を遮断する暗箱の役目を担っています。

9. 網膜・中心窩(もうまく・ちゅうしんか)

網膜はカメラのフィルムにあたる部分で、 目のなかに入った光は網膜にピントを結びます。

網膜の最も後方の部分を黄斑部といい、さらにその中心部を中心窩といいます。

色を判別が出来る錐体細胞が集中しており、ここでものを見ています。

10. 視神経・視神経乳頭(ししんけい・ししんけいにゅうとう)

視神経は網膜全体におよそ100万本の神経線維があり、網膜に生じた情報を脳に伝達します。

視神経が眼球壁を貫く部分を視神経乳頭といいます。

11. 水晶体(すいしょうたい)

水晶体は、カメラのレンズにあたり、厚くなったり薄くなったりすることで、ピント調節をしています。

これが年齢と共に固くなると老眼となり、白く濁ると白内障となります。

12. 硝子体(しょうしたい)

硝子体(しょうしたい)は水晶体の後方の眼球内容の大部分を占め、ゼリー状をしています。99%が水です。

13. シュレム管(しゅれむかん)

毛様体でつくられた房水は、シュレム管から排出されます。

14. 前房・後房(ぜんぼう・こうぼう)

角膜と水晶体で囲まれた部分は、虹彩(こうさい)を境に、前面は前房、後面は後房と呼ばれています。

中は房水で満たされています。

若山眼科 コラム より引用

https://www.wakayamaganka.jp/2019/07/03/809/

緑内障について

原因

緑内障は、さまざまな原因で視神経が圧迫、障害されることで発症しますが、多くの場合“眼圧が上がる、

高い”ことが発症と進行に深く関係しています。

眼の中は房水と呼ばれる液体で満たされていますが、この房水の排出がうまくいかない原因により、

主に“開放隅角緑内障”と“閉塞隅角緑内障”の2つのタイプの緑内障に分けられます。

開放隅角緑内障

開放隅角緑内障は線維柱帯という部分が目詰まりして房水の排出がうまくいかずに眼圧が上昇してしまいます。

また、正常眼圧緑内障では、眼圧が正常範囲内であるにもかかわらず視神経が障害されてしまいます

正常眼圧緑内障の場合、近視や高齢、視神経乳頭の出血、酸化ストレス、循環障害などが発症に影響しているといわれています。

閉塞隅角緑内障

閉塞隅角緑内障は隅角ぐうかくという部分が狭くなったり閉じたりすることで房水が流出できなくなり、眼圧が上昇します。

症状

こいけ眼科 HPより引用

https://koikeganka.com/treatment/optic_nerve02.php

初期の緑内障ではあまりはっきりとした症状が現れないことがほとんどです。

最初に自覚される症状としては、見える範囲が狭くなる視野狭窄しやきょうさくや、視野の一部だけが見づらいといった症状などが挙げられます。

このような症状は非常にゆっくりと進行するために気がつきにくいといわれています。

また、片方の眼にだけに症状があらわれた場合には、もう片方の視野で補ってしまうために自覚できないことも多くあります。

視野障害や暗点の出現に気付いたときには、すでにかなり進行してしまっていることも珍しくありません。

視野障害が進行すると、視力低下、さらには生活に重度の不便が出ることもありますが、

進行スピードは緑内障の種類や眼の状態によっても大きく異なり、個人差も大きいとされています。

閉塞隅角緑内障では、“急性緑内障発作”を引き起こすことがあります。急激に眼圧が上昇することで、

視力が急速に悪化し、失明のリスクがあります。

また、眼の痛みやかすみ、充血に加えて、頭痛や吐き気が起こることも特徴的です。

暗いところでの長時間の細かい作業や、長時間のうつ伏せ姿勢などが誘因となることがあります。

検査・診断

緑内障の検査には視力検査、細隙灯顕微鏡さいげきとうけんびきょう検査、眼圧検査、隅角検査、眼底検査、光干渉断層計(OCT)

視野検査などがあります。

眼圧検査

眼圧は緑内障の診断と管理にとても大切です。

眼に測定チップを直接接触させることにより検査を行うゴールドマン圧平眼圧計、

眼に空気をあてて測定を行う非接触型眼圧計の2種類が使われることが多いです。

眼圧は角膜の“厚み”や“剛性”といった眼の構造によって影響されやすいため、

異常値の有無だけで緑内障と判定されるわけではありません。

また、眼圧は1日の中でも変動し、季節や体位、運動などにも影響を受けます。

隅角検査

緑内障の種類や病状を判断するために行います。

この検査では、点眼麻酔をしたうえで専用のコンタクトレンズを眼に当てて隅角を観察します。

隅角が開いているのか閉じているのか、隅角部に癒着があるか、

房水の流出部に色素などが沈着していないかを確認して、病型や病状を判断します。

Medical Note より引用

https://medicalnote.jp/diseases/緑内障?utm_campaign=緑内障&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
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緑内障の治療について

緑内障の治療

緑内障の治療における基本的な考え方は“症状を悪化させない”ことです。

視野の欠けるスピードを遅らせて、見え方の質と生活の質を維持することが目的となります。

一度障害されてしまった視神経が回復することはありません。

しかし、視神経は眼圧が高いほど傷つきやすくなるので、適切な治療を続けて眼圧を少しでも下げ、

緑内障の進行を防ぐことが重要です。

眼圧を下げるための治療方法としては、薬物療法、レーザー療法、手術の3種類が挙げられます。

原発開放隅角緑内障は、多くの場合点眼薬による薬物療法を行います。

緑内障の種類や重症度、眼圧の程度、眼の状況に応じて薬剤が選ばれます。

1種類だけを用いることもあれば 、複数の点眼薬を組み合わせて使用する場合もあります。

目詰まりをしている線維柱帯にレーザーを照射し、房水の通りをよくする方法も行われています。

点眼やレーザーでも眼圧が十分に下がらない場合は、房水の流れをよくする手術が行われています。

原発閉塞隅角緑内障の場合、手術やレーザーが必要になることもあります。

白内障が原因で房水の流れが悪くなっている場合は、白内障手術が行われることもあります。

また、レーザー治療は眼の虹彩こうさいという部分に穴を開けることによって房水の流れを変えていきます

Medical Note より引用

https://medicalnote.jp/diseases/緑内障?utm_campaign=緑内障&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
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緑内障の治療薬について

緑内障の目薬の種類はたくさん種類がありますが、作用ごとに分けると、

①プロスタグランジン関連薬(FP2受容体作動薬・EP2受容体作動薬)

②交感神経β遮断薬

③炭酸脱水酵素阻害薬

④交感神経α₂刺激薬

⑤Rhoキナーゼ阻害薬(ROCK阻害薬)

以上の5つに大別されます。

①プロスタグランジン関連薬(FP2受容体作動薬・EP2受容体作動薬)

主な点眼薬について

・キサラタン®/ラタノプロスト*
・タプロス®/タフルプロスト*
・トラバタンズ®/トラポプロスト*
・ルミガン®/ビマトプロスト*
・レスキュラ®

・エイベリス®

②交感神経β遮断薬

主な点眼薬について

・チモプトールXE®/チモロール
・ミケラン®LA/カルテオロール

詳細はこちらの記事から↓(執筆中)

③炭酸脱水酵素阻害薬

・エイゾプト®/ブリンゾラミド
・トルソプト®/ドルゾラミド

詳細はこちらの記事から↓(執筆中)

④交感神経α₂刺激薬

・アイファガン®(ブリンゾラミド)

詳細はこちらの記事から↓(執筆中)

⑤Rhoキナーゼ阻害薬(ROCK阻害薬)

・グラナテック®

詳細はこちらの記事から↓(執筆中)

臨床現場で病院薬剤師として思うこと

患者さんからしたら何種類も処方されている点眼薬って

どの点眼薬がどういう作用を持つかということがわからなくなってしまいますよね。

先発、後発医薬品を混合されたらさらにわからなくなって

思考停止状態になってしまいがちです。

そのことについて正確に伝えることが薬剤師の1つの役割なのではないでしょうか?

特に緑内障は症状の進行を抑えなければ失明のリスクを大幅に上げてしまうので

注意しなければいけませんね。

さいごに

生きているうちに病気になることはあると思います。

その際にどのような対処をすれば良いのか不安に思いながら周りに相談をしたり

自身でインターネットで検索して調べる方は多いと思います。

その1つのお助けツールとしてこちらの記事を参考にして頂けたら嬉しいです。

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